不動産担保ローン情報ブログ
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再建築不可の敷延物件を担保とする際の注意点
2015/7/11敷地延長物件を不動産担保とする場合にはチェックする注意点が幾つかありますが、一番注意すべきは道路に面している間口の広さです。
建築基準法では、道路間口が最低2m確保されていないと建築許可が下りずに再建築不可となります。奥行きの長さにも市町村によって制限がありますので、不動産担保ローン業者は敷地延長物件を担保不動産とする場合には道路間口と奥行きの実測を怠りません。
法務局が発行する公図や地積測量図では道路間口が2m確保されていても、実際の不動産現地調査の実測で2m確保出来ていないケースも多々あります。公募上の数字と不動産現地調査の結果に誤差がある場合、ノンバンクの不動産鑑定調査は現地での実測結果を優先、採用します。
道路間口が2m確保出来ていない敷地延長物件は再建築不可な物件となりますので、通常不動産のみを扱う銀行系ノンバンク等の融資審査はほとんど否決されます。
独立系ノンバンクの一部で再建築不可の不動産を扱う場合もありますが、債権回収リスクが高くなるため不動産担保ローンの貸出金利が高金利となったり、融資契約年数が短期融資契約となったりします。
道路間口は2m確保されていても奥行き全体の通路幅が2m確保されていないという敷地延長物件も存在しますが、この場合も再建築不可な物件となりますのでノンバンクの不動産担保融資条件も厳しくなります。
この他にもノンバンクの不動産担保鑑定調査では、進入通路部分(旗棒部分)は土地坪数の有効面積と計算されませんので注意してください。
気になる事例VOL・149 は埼玉県所沢市在住の若林様。55歳の男性で、所沢市内で介護事業を営む法人経営者の方です。
事業運転資金として20年長期返済型、元利均等返済プランで500万円の不動産担保融資希望です。
若林様ご家族が居住用不動産として現在利用中です。
日本政策金融公庫から借り入れた新規開業融資の抵当権が1000万円設定されており、融資金残債務は600万円あります。返済延滞や税金未納はありません。
不動産担保ローン審査対象物件は埼玉県所沢市小手指町、西武池袋線小手指駅より徒歩で約10分の第2種低層住居専用地域に位置し、近隣の不動産売買取引相場は平均して坪50~60万円前後です。
小手指駅近辺にはイトーヨーカドーを中心に、大手スーパーの西友や小手指ハナミズキプラザ、トモズ等があり、買い物等は便利です。
西武新宿線新所沢駅も徒歩圏で複数路線が利用可能、所沢駅へのアクセスも2駅と利便性が高いです。
都心部通勤族の安価なベッドタウンとして昔から根強い人気を誇ります。小手指駅からも徒歩圏なので、通常での不動産売買取引が可能と担保査定されました。
よって土地有効坪数44坪(土地坪数50坪から敷地延長部分6坪減算)、土地坪単価50万円、総額2200万円と不動産担保査定評価しました。
日本政策金融公庫の融資金残債務600万円に想定遅延損害金2年分を合算して、第2抵当順位で500万円の不動産担保融資を実行しても、不動産担保評価額に対し融資掛け目は約6割で融資金上限額以内で問題ありません。
若林様には不動産担保ローン融資実行に必要な書類として決算書3期分、各種税金納税証明書3年分、事業計画書、先順位担保権者である日本政策金融公庫の融資金残高証明書等をご用意いただきまして後日、融資金額500万円、貸出金利9%、返済年数20年、毎月々4万4900円お支払い、返済総額1080万円という内容の不動産担保ローンが融資実行となりました。
・敷地延長物件を不動産担保とする場合、一番注意すべきポイントは道路間口と奥行きの長さ。
・公図や地積測量図では道路間口が2m確保されていても、不動産現地調査の実測で2m確保出来ていなければノンバンクは通常不動産担保として扱わず再建築不可な物件として扱う。
・道路間口が2m未満で再建築不可な物件でも不動産担保融資を実行してくれるノンバンクは存在するが、債権回収リスクの高さから貸出金利が高金利となったり、融資契約期間が短期契約となったりするので資金需要者は注意が必要。
株式会社ABCサニー代表取締役
貸金業務取扱主任者
秋山容吉
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