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契約書による譲渡担保等の執行力

2015/1/17

不動産担保ローンを検討されているお客様の心配事といえば、貸出金利や返済年数といった融資条件かと思います。
しかしお客様が最も重要視するべきは、検討している貸金業者が金銭消費貸借契約書や抵当権、根抵当権設定証書、その他基本的な契約書以外に借主にとって不利な契約書が含まれていないかという点です。
借主にとって非常に不利となる契約書に譲渡担保契約書があります。借主が返済延滞や契約不履行の有無等関係無しに、不動産担保融資実行と同時に所有権を貸金業者に譲渡して融資実行する不動産担保ローン金融商品です。
借主が不動産を自由に売却する権利も無く、債務不履行の際は貸金業者の債権回収プランに沿って不動産売却され、融資残債務以外の不動産売却益も貸金業者の利益として回収される非常に拘束力の厳しい金融商品です。
例えば500万円の譲渡担保契約による不動産担保融資を実行して、債務不履行により貸金業者が担保不動産を1200万円で不動産売却した場合は融資金500万円以外の残金700万円は貸金業者の利益となるのです。
このような借主にとって非常に不利な不動産担保ローン金融商品もありますので、不動産担保ローン業者との契約書締結時には慎重に注意して契約してください。
気になる事例VOL･126　は兵庫県神戸市在住の相田様。48歳の男性で、神戸市内のIT関連会社を営む法人経営者です。
教育資金、事業運転資金として10年長期返済型、元利均等返済プランで500万円の不動産担保融資希望です。

不動産担保ローン審査対象物件は分譲マンションで15階建て12階部分、建物占有面積85㎡の4LDKタイプ、平成15年新築です。
相田様ご家族が居住用住宅として現在利用中です。
大手都市銀行M銀行の抵当権2500万円が設定されており、融資残債務は1000万円あります。返済延滞や税金未納はありません。
不動産担保ローン審査対象物件は兵庫県神戸市西区、地下鉄西神・山手線西神中央駅より徒歩で約15分の第1種中高層住居専用地域に位置し、近隣の中古マンション売買取引相場は80㎡4LDKタイプ、築15年以内で2500万円（坪100万円）前後です。
緑溢れる閑静な住宅街で、西神中央駅前には大手デパートのそごうを筆頭に複合施設も充実してます。
住環境も買い物等も利便性が高く人気のあるエリアなので、通常相場での中古マンション売買取引が可能と担保査定されました。
よって建物坪数25,7坪、建物坪単価100万円、総額2570万円と不動産担保査定評価しました。
第2抵当順位からの不動産担保融資なので、M銀行の住宅ローン1000万円に想定遅延損害金2年分を減算しますが、不動産担保融資掛け目7割弱と融資上限額以内です。
相田様には不動産担保ローン融資稟議に必要な書類として決算書3期分、各種税金納税証明書3年分、先順位M銀行融資残高証明書、事業計画書等をご用意いただきまして後日、融資金額500万円、貸出金利9%、返済年数10年、毎月々6万3000円お支払い、返済総額760万円という内容の不動産担保ローンが融資実行となりました。

契約書による譲渡担保等の執行力に関するまとめです。
・不動産担保ローン業者を選ぶポイントは融資条件も大事だが、最も重要視すべきは借主に不利な契約書が含まれているかどうか。
・譲渡担保契約とは不動産担保融資実行と同時に貸金業者へ所有権移転登記する、拘束力の非常に強い不動産担保ローン金融商品。
・借主の債務不履行により貸金業者が不動産を売却した場合、融資金以外の残金は貸金業者の利益となる。

監修
株式会社ABCサニー代表取締役
貸金業務取扱主任者
秋山容吉

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