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返済不能は期限の利益の喪失事由
2015/1/10銀行やノンバンクから長期返済契約で不動産担保ローンを利用中でも、返済不能や契約反故、いわゆる期限の利益の喪失事由に該当すると残債務の一括返済を迫られます。
債務者側の長期返済契約という期限の利益を喪失する事由とは、主に返済不能となった支払いの延滞や自己破産、手形小切手の不渡り、成年後見登記等が一般的です。
その他には各種税金未納による差し押さえ登記や自営業者の事業廃業、サラリーマンの退職、転職の未申告、担保不動産の権利関係の変更等があります。
居住用住宅として購入した不動産を第三者に賃貸して賃料収入を得ているケースも期限の利益の喪失事由となりますので注意が必要です。
悪質な不動産担保ローン業者の中には、「独自の不動産担保評価査定で不動産査定評価額が減少した場合で追加担保を差し入れないとき」などという理不尽な内容の期限の利益の喪失事由を明記している業者もいます。
不動産担保ローンの融資契約時には貸出金利や返済年数はもちろん、期限の利益の喪失事由もしっかりチェックすることをおすすめします。
本日は居住用不動産を第三者へ賃貸していたことが銀行に発覚して一括返済を迫られたため、ノンバンク利用による不動産担保ローン借り替えを希望されるお客様の事例をご紹介します。
気になる事例VOL・125 は愛知県名古屋市在住の児玉様。43歳の男性で、名古屋市内で不動産賃貸業を営む法人経営者の方です。
銀行の住宅ローン返済資金として、長期返済型固定金利プランで2000万円の不動産担保融資希望です。
現在は賃貸中で毎月20万円の賃料収入を得ています。
大手都市銀行M銀行の抵当権3000万円が第1順位で設定されており、融資残債務は1900万円あります。支払い延滞や税金未納等はありません。
不動産担保ローン審査対象物件は愛知県名古屋市熱田区川並町、東海道本線金山駅より徒歩で約15分の近隣商業地域に位置し、近隣の不動産売買取引坪相場は平均で坪75~80万円です。
JRや名鉄線、地下鉄線等複数沿線が利用可能で、名古屋駅からも電車で5分以内と利便性は抜群に優れています。名古屋市内の中級住宅地として人気を博しています。
人気エリアなので通常での不動産売買取引が可能と査定評価されました。
よって土地坪数40坪、土地坪単価75万円、総額3000万円と不動産担保査定評価しました。
第1抵当順位からの2000万円を融資実行しても不動産担保融資掛け目6割強と融資限度額以内で問題ありません。
児玉様には不動産担保ローン融資決済稟議に必要な書類として決算書3期分、各種税金納税証明書3年分、銀行住宅ローン完済手続き依頼と抵当権抹消書類手配、賃貸借契約書等をご用意いただきまして後日、融資金額2000万円、貸出金利6%、返済年数20年、毎月々14万3000円お支払い、返済総額3439万円という内容の不動産担保ローンが融資実行されました。
・銀行やノンバンクから長期返済契約で不動産担保ローンを利用中でも、返済不能や契約反故すると期限の利益の喪失事由に該当し残債務の一括返済を迫られる。
・期限の利益の喪失事由は返済不能となった支払いの延滞や破産はもちろん、居住用不動産を賃貸で貸した場合も期限の利益の喪失事由となる。
・理不尽な内容の期限の利益の喪失事由を明記している悪質不動産担保ローン業者も存在するので、金銭消費貸借契約する際には細心の注意が必要。
株式会社ABCサニー代表取締役
貸金業務取扱主任者
秋山容吉
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