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担保割れ不動産によるローン相談

担保割れ不動産によるローン相談

銀行や貸金業者からの住宅ローン、不動産担保ローン借り入れ残債務が残った状態、いわゆる担保割れ状態で融資相談や融資申し込みを受けるケースは多々あります。
資金需要者からは「オーバーローンだけど融資は受けられるのか?」「担保割れしちゃっているけど大丈夫か?」等の質問を受けますが、不動産担保ローン業者が担保査定評価する際の基準として考慮するのは担保不動産の実勢価格です。
不動産業者に売却依頼して、大よそ3ヶ月以内に売却できる早期売却可能金額を実勢価格と考えるのが、一般的な不動産担保ローン業者の審査の仕組みです。
早期売却可能金額を不動産担保査定評価金額として算出しますが、その担保査定金額の100%を融資可能金額と採用することは出来ません。
担保不動産に対して融資上限額となる不動産担保融資掛け目は、銀行系ノンバンクで60~70%、独立系ノンバンクや中小ノンバンクで70~80%が融資上限目安となります。
担保不動産に対して、融資掛け目以上に借り入れしている場合はオーバーローン、いわゆる担保割れ状態となり不動産担保ローン借り替えローンも後順位担保設定での融資実行も不可能となります。
担保割れした評価余力不足の場合でも追加担保を共同担保として融資実行する方法もありますので、他業者で否決されても諦めずにまずはご相談ください。
本日は高金利で融資契約した不動産担保ローン借り替え融資を希望されたお客様の事例をご紹介します。
気になる事例VOL・120 は東京都稲城市在住の野崎様。59歳の男性で、稲城市内で中古車販売業を営む法人経営者の方です。
不動産担保ローン借り替え資金として、固定金利型元利均等返済プランで2000万円の不動産担保融資希望です。

不動産担保ローン審査対象物件は土地30坪、建物木造2階建てで平成7年新築です。
野崎様ご家族が居住用不動産として現在利用中です。
独立系ノンバンクA社が第1抵当権で2000万円設定されており、残債務は1900万円あります。返済延滞等はありません。
不動産担保ローン審査対象物件は東京都稲城市、京王相模原線若葉台駅より徒歩で約15分の第1種低層住居専用地域に位置し、近隣の不動産売買取引坪単価は平均で坪75~80万円前後です。
整備された大型の分譲地内で、閑静な住宅街として人気があります。建物使用状態も良好なので、通常不動産取引価格での売買が可能と査定評価されました。
よって土地坪数30坪、土地坪単価75万円、総額2250万円と不動産担保査定評価しました。
しかし担保不動産にはノンバンクA社の抵当権残債務1900万円があります。
不動産担保融資掛け目84%と融資上限額を超えた融資を受けているため既に担保割れの状態で、不動産担保ローン借り替えは厳しい状況です。
野崎様には追加担保や自己資金の調達等のアドバイスを提案しましたが、担保割れした評価余力不足の解消までは至らず、結果的には担保融資否決の審査内容をお伝えしました。
担保割れ不動産によるローン相談に関してのまとめです。
・不動産担保ローン残債務が残っていても担保査定評価が高評価であれば融資実行は可能だが、担保不動産が担保割れしていたら融資実行は不可能。
・不動産担保ローン業者が担保査定する際、基準として考えるのは担保不動産の実勢価格である。
・不動産担保融資掛け目の目安は銀行系ノンバンクで60~70%、独立系ノンバンクで70~80%。



監修
株式会社ABCサニー代表取締役
貸金業務取扱主任者
秋山容吉

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