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増築未登記は担保審査のネック
2013/12/7不動産担保ローンとは不動産の価値、価格を評価算出し、不動産担保融資掛け率限度額を超えない範囲内で融資実行することで債権回収リスクを軽減する金融商品の事です。融資審査の際、不動産担保ローン審査対象物件の現地調査は重要で、市区町村役所での公法上、建築基準法上の規制確認、法務局での登記簿上権利関係の確認、土地、建物登記簿謄本、公図、地籍測量図、建物図面等を取得します。不動産担保ローン審査対象物件では土地の間口や奥行き、道路幅員等をメジャーで測定、建物は内見若しくは外観からの目視で、建物図面と比較して増築の有無を確認します。増築があり増築登記が未登記の場合は不動産担保ローン融資実行する際、担保権設定と同時に増築登記が不動産担保融資の必須条件となります。増築部分未登記現状のまま不動産担保融資を実行すると、増築部分に不動産担保設定が登記されないため不動産差し押さえによる競売等の強制執行が、増築部分のみ出来なくなります。不動産担保ローン業者は安全な債権回収が確保できなくなるので増築登記は必須なのです。
気になる事例VOL・53 は大阪府吹田市在住の野口様。45歳の男性で、吹田市のご自宅で家電小売業を営む個人自営業の方ですが、不動産担保対象となる自宅不動産の増築部分が未登記のため融資希望額に増築部分登記費用を上乗せしたお客様の事例を紹介します。
取引先への支払い資金として、貸出金利7%台、毎月々6万円以下の返済計画希望で500万円の事業者向け不動産担保融資希望です。
登記簿権利(甲区):野口様権利
登記簿権利(乙区):抵当権設定有り 地方銀行A銀行 抵当権設定1000万円 残債務300万円
利用形態:居住用住宅
土地70坪 木造2階建て平成5年新築 一部増築未登記あり
野口様ご家族4人が居住
担保査定:不動産担保ローン審査対象物件は阪急千里線北千里駅より徒歩で約10分の分譲地に位置する。北千里駅近辺には大手スーパーのイオンや大丸ピーコック等があり、買い物等の住環境は良好である。都心へのアクセスも梅田や新大阪まで1時間以内と都心通勤族のベッドタウンとしても人気を博している。北千里駅徒歩10分圏内の不動産土地取引平均坪相場は55~60万円で取引されている。不動産担保ローン審査対象物件は北千里駅から徒歩で10分以内、土地の大きさも70坪と広めで近隣需要に合う。分譲地内で減算要因も見受けられない。よって通常土地取引相場での取引が可能と判断。土地坪数70坪×坪単価55万円=総額3850万円と不動産担保評価。第1抵当権者A銀行の抵当権融資残債務が300万円残っているため2年分の遅延損害金を融資残債務に上乗せして減計算。不動産担保総評価から300万円と遅延損害金分84万円を引いた金額3466万円から不動産担保融資掛目を差し引いても500万円の不動産担保融資実行に問題は無い。野口様には不動産担保ローン融資実行に必要な書類として確定申告書3期分、各種納税証明書、第1抵当権者A銀行融資残高証明書、事業計画書等をご用意いただきまして後日、融資金額500万円、貸出金利7%、返済年数10年、毎月々5万8000円お支払い、返済総額約697万円という内容の事業者向け不動産担保ローンが融資実行となりました。尚、不動産担保融資実行の際、建物増築未登記部分の登記設定を条件として付加しました。
野口様も「建物も古く増築登記は放っておいたが、丁寧に増築登記の説明をしてくれたので納得した。」と理解されてました。
気になる事例VOL・53 本日はこの辺で。
株式会社ABCサニー代表取締役
貸金業務取扱主任者
秋山容吉
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